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中国茶の種類
中国茶の種類
様々な茶葉の種類
広大な中国大陸・台湾には様々な気候・風土・土壌があり、それらで作られるお茶の種類はそれこそ千種類以上はあると言われるくらい多種多様です。これらの中国茶を明確に分類するのは難しいのですが、「六大分類法」と呼ばれる発酵度を基準とした分類法で大まかに6種類に分類する事ができます。今回はこの分類をご紹介します。
緑茶(Lu cha)
西湖龍井(Xi hu long jin)
中国で一番生産量の多いお茶で、生産されるお茶の約70%を占めるのが緑茶です。茶種や消費量も中国国内で一番です。
他の茶葉とは違い茶葉を発酵させずに生産される為、茶葉本来の緑色になるのが緑茶と呼ばれる所以です。急須を使わずに、直接蓋碗に茶葉を入れて飲むのが主流です。
緑茶はここから製法によって、更に4つに分類する事ができます。釜で炒って殺青して作る「炒青(しょうせい)緑茶」、炭火で殺青して作る「[火共]青(きょうせい)緑茶、」、日光に晒して殺青する「晒青(さいせい)緑茶」、蒸気で殺青をする「蒸青(じょうせい)緑茶」の4つです。この4つでも一番有名なのが、釜で炒って殺青して作る「炒青(しょうせい)緑茶」でしょう。中国緑茶は全て釜で炒って作るものだと思っている方も少なくありません。
香ばしくてさっぱりと爽やかな味わいが緑茶の特徴です。
発酵度:不発酵
香り:草・豆
代表種:龍井(炒青緑茶)・黄山毛峰([火共]青緑茶)など
白茶(Bai cha)
白毫銀針(Bai hao yin zhen)
白茶は白い産毛の生えた新芽のみを用いて作られるので、白茶と呼ばれます。その為生産量がとても少なく中国茶の中でも貴重で、古くから歴代の中国皇帝が好んだ茶種とされ、通好みの高級茶というイメージの強い茶種です。
白茶は摘んだ茶葉を揉まずにゴザに広げ、その場で日光にさらして乾燥させてしまいます(日光萎凋)。その段階で僅かに発酵する事から、弱発酵茶とも呼ばれます。
果実のような華やかな香りと、あっさりした味わいが白茶の特徴です。
発酵度:弱発酵
香り:果実
代表種:白毫銀針、白牡丹など
黄茶(Huang cha)
君山銀針(Jun shan yin zhen)
中国茶の中でも、日本ではあまり浸透していない茶種です。茶葉と茶湯がほんのりと黄色がかかっている事から黄茶と呼ばれます。中国茶の中でももっとも希少価値が高い茶種とされ、100グラム1万円を超える茶種も少なくありません。
製法は緑茶のように加熱処理を行った後で、悶黄(もんおう)という特殊な加工で茶葉を軽発酵(後発酵)させます。悶黄とは茶葉に湿った布をかぶせ、、高湿度高温の場所に放置します。そうする事で茶葉は酵母菌の作用で軽発酵(後発酵)します。
軽発酵の特徴である果物のような香りと、緑茶のようなさっぱりした味わいが黄茶の特徴です。またお湯を注ぐと茶葉が浮き沈みし、その様を見るのも楽しいお茶です。
発酵度:弱後発酵
香り:果実
代表種:君山銀針・蒙頂黄芽など
青茶(Qing cha)
凍頂烏龍茶(Dong ding oolong cha)
日本で中国茶といえば烏龍茶を連想しますが、いわゆる烏龍茶がこの青茶です。従って日本人に一番馴染み深い茶種であり、飲む機会が一番多いのもこの茶種ではないでしょうか。青茶は製造過程で茶葉が深い緑色に変わります。深い緑色を表す青(青々と茂った木などの表現で使われる青)から青茶と呼ばれるようになりました。
半発酵茶とも言われ、発酵度も10%〜80%程度と幅広いものになっています。その為茶種が多く、味や香りのバラエティがとても豊富なのが青茶です。
青茶の主要な生産地は、福建省北部の武夷山(武夷岩茶など)・福建省南部の安溪(鉄観音など)・広東省北部(鳳凰単叢など)・台湾(凍頂烏龍茶など)となっており、この4つが四大烏龍茶の産地と呼ばれています。
発酵度:半発酵
香り:花・草・果実・木・薬・乳
代表茶:黄金桂、鉄観音、凍頂烏龍、大紅袍、東方美人など
紅茶(Hong cha)
祁門紅茶(Qi men hong cha)
紅茶といえばイギリスというイメージを持つ方も多くいらっしゃるでしょうが、中国の紅茶も有名で世界三大銘茶の一つである祁門紅茶は中国の紅茶なんです。中国茶の中でも、緑茶に次いで2番目に生産量が多い茶種です。紅茶の由来はその茶湯が紅っぽい色からと言われています。
紅茶は更に工夫紅茶・小種紅茶・紅砕茶の3つに分類されます。工夫(コンフー)とは時間と労力をかけて作るという意味で、工夫紅茶は生産量の少ない高価な茶種です。祁門紅茶を含め、多くの中国の紅茶はこの工夫紅茶に属します。小種紅茶は正山小種などが有名で、松の木や桐の木で燻焙した煙臭の強い紅茶です。紅砕茶は紅茶の茶葉を小さく裁断した茶葉で、ティーバッグなどに利用されています。
他国の紅茶と比べ、苦味がなくすっきりとした味わいと特有の香りを持っています。中国では紅茶には砂糖やミルクを一切使わずにストレートで飲むのが流儀です。
発酵度:全発酵
香 り:花・果実
代表茶:祁門紅茶・正山小種など
黒茶(Hei cha)
プーアル茶(Puer cha)
黒茶という聞きなれない方も多いでしょうが、プーアル茶と言うとピンとくると思います。茶葉自体の色と、茶湯の色から黒茶と呼ばれるようになりました。
黒茶は酵母菌を使って後発酵させた茶種です。この中でも緑茶ベースの黒茶を生茶、人為的に菌発酵させたものを熟茶と呼びます。また、普通の茶種は散茶(茶葉が固まっていない状態)であるのに対し、黒茶だけは特定の形に固められたものがあります。円盤型に固められた黒茶を「餅茶」、お碗型に固められた黒茶を「沱茶」、レンガ状に固められた黒茶を「磚茶」と呼びます。
黒茶は独特の深い香りと味わいを持っていて、中国では一般的に食事と一緒に頂きます。体内の脂肪を洗い落とし、血液中のコレステロール値を下げ、血液循環がよくなると言われています。また長期保存ができ、年代物には高い価値が付けられヴィンテージワインのような面も持ち合わせているのが特徴です。
発酵度:後発酵
香 り:木・薬
代表茶:プーアル茶・六堡茶など
以上の6つの茶種が中国茶の六大分類と言われています。ここからこの分類法で分類できない茶種を2種紹介します。六大分類の6種+分類できない2種の合計8種が中国茶の最もポピュラーな分類方法です。
花茶(Hua cha)
ジャスミン茶(Mo li hua cha)
花茶といえばジャスミン茶が最も有名です。緑茶や白茶・青茶などにに花の香りを付けたもの、花自体をブレンドしたもの、茶葉を糸で結い中に花を仕込んだもの(工芸茶)など、様々な花茶があります。
花茶の多くは香りの吸いやすい緑茶を原料とし、薄紙を緑茶と花弁の間にはさみ積層させて香りを移すという手法で作られます。この手法ではゆっくりと香りが浸透していく為、この工程を複数回繰り返さなければしっかり香りが移りません。数ヶ月費やす事もあり、このような工程をふんだのが高級なジャスミン茶となります。
また、工芸茶とは職人が手作業で茶葉を一本づつ糸でくくり、中に様々な花を仕込む事で作られる茶種です。お湯を注ぐと、中で仕込んでいる花が咲くように茶葉が開きます。
発酵度:−
香 り:花
代表茶:ジャスミン茶、桂花茶など
茶外茶(Cha wai cha)
苦丁茶(Ku ding cha)
茶外茶とは、薬草や木の葉など茶葉でないものを茶葉のように製茶したものをさします。中国では薬用茶、保険茶として利用されています。
植物の葉を茶葉のように製茶する茶種としては、苦丁茶が有名です。また、茶葉を使用する茶外茶もあり、八方茶や柚子茶などがあります。八方茶は茶葉に様々な果実を混ぜた茶種で、飲むというよりも菓子を食べるような感覚の茶種です。柚子茶は柚子という果実の中身をくり抜き、その中に様々な茶葉を詰め込んで乾燥させた茶葉の事を言います。
発酵度:−
香 り:−
代表茶:苦丁茶、八宝茶など
以上が中国茶の基本的な分類です。中国茶の中でも基礎の知識ですので、これから中国茶を学びたい方には是非覚えていただきたいです。